自動車のような高額商品は、営業やマーケティング戦略により需要を創造していくことが難しい。
つまりゼロサムゲームのビジネスである。したがって、収益性の改善のためには生産性アップが最重要となる。
利益率の向上は属人的販売からシステム化された販売への転化が必要となり、売上の伸長のためにはエリア拡大が不可欠である。
このような、業界の特性を前提として、1%を下回っていた営業利益率を3%台までに引き上げることを数値的目標として、具体的に以下の施策を実行した。
○店舗毎の独立採算制
○BU(ビジネス・ユニット)の細分化
○訪問販売の禁止
○チラシ戦略の変更
これらの施策の結果、来店客の成約率が7%から28%へ向上するとともに、成約客1人当たりの獲得コストが三分の一に下がったために、売上増加を図らずに大幅に採算性を改善することができた。
また、中古車販売店は下取車の販売に活用していたが、独立採算制になったことで、下取車の販売を止めた。販売用の中古車は全てオークションから別途仕入れることで、売れ筋車を品揃えすることが可能となり、収益の改善を実現した。
今後、確立したオペレーションを元に、規模の拡大をはかるべく近隣エリアの赤字自動車ディーラーとのM&Aを視野に入れている。
金融機関からの借入金については、1年間の元金返済猶予を経て、収益計画をベースとした返済計画を立て直して返済を継続している。